10月21日に、世田谷区議会第3回定例会が終わりました。
うちの会派「無所属・世田谷行革110番・維新」は、
「一般会計歳入歳出決算」 認定に反対しました。
(国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、中学校給食費には賛成)
「反対理由」の中心となっているのは、莫大な税金を使うことになる
「区役所改築問題」に対する保坂区長のやり方があまりにもいい加減
で、素案にしても税金の無駄遣いが甚だしく、とても認められないと
判断したから、であります。
「一般会計決算」に対する反対意見は、幹事長の大庭正明議員が議場
で述べましたが、以下、長文ですが、興味のある方は、ぜひ、お読み
いただけたらと思います。
保坂区長率いる世田谷区政どんな状況なのか、よくよくわかっていた
だけることと思います。
●平成26年度・世田谷区・一般会計・歳入歳出・決算認定に反対の立場から、無所属・世田谷行革110番・維新の意見を述べます。
●まず、監査委員の意見、
「区民要望を的確に捉えた上で区民の信託に応えるべく、最小の経費で最大の効果を挙げるように計画的、効率的かつ効果的な行財政運営に努められたい」
この一文は委員会でも触れましたが、今回の監査委員の意見の締めくくりの文章であります。
●因みに「努められたい」の「たい」とは望むことを表す助動詞且つ、命令的な語調であります。
●要するに区民要望に応えて最小の経費で最大の効果を挙げられるよう、計画的、効率的かつ効果的な行政運営に努力しなさい、と監査委員は結論づけているのです。
●一方、議会としてましては、今回、庁舎問題を取り上げ、様々、保坂区長にお尋ね、いたしましたが、まさに監査委員が暗に指摘している通りでありました。
●果たして、26年度予算を使って出された「世田谷区 本庁舎 等 整備基本構想 中間まとめ」とは何だったのでしょうか。そして今回3パターンが出てきて、「中庭を囲む景観」という言葉が出てくるに至って、多くの会派が一体、保坂区長は何を考えているのか確信した次第です。
●我々、議員そして議会の果たす役割は、ひたすら最小の経費で最大の効果をあげるべく、予算をチェックすることにあります。
●景観やフォルムがどうだこうだ、というのは二次的検討材料であって、最初に考えるべきことではありません。そもそも、地方財政法の第四条で、「地方公共団体の経費は、『その目的』を達成するための、必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」とあります。
●「その目的」とは何でしょう。88万都市における災害対策本部・機能の強化・充実が第一であることは一貫して私達の会派は申し上げて来ました。もちろんそのことは、分散庁舎の一元化と表裏一体の関係にあります。そのことを達成するために必要且つ最小限度を越えて支出をしてはならない、というのが法の縛りなのです。
●地方自治体の最大の目的が「中庭を囲む景観」を残すことなのでしょうか、もう、このあたりの話になると、まともな議論足りえるのか不安であります。保坂区長の判断能力の杭が、現実という固い地盤に届いていないように思えてなりません。
●さて、今回、私達の会派では平成19年度に作られた改築案を改めて示しました。当時の見積もりでは235億円でありましたが、区民会館の経費や消費税、及び免震構造にすることを加えて、所管に再見積もりをしてもらいました所、約300億円という数字が出てきました。
●方や、今回出された3パターンでの見積もりは345億円から380億円となっており、すでに45億円から80億円の開きが出ております。この金額が誤差の範囲と言えますか?見過ごせる範囲でしょうか。
●地方財政法 第4条が規定する、必要且つ最小限度を越えていない、と言えるでしょうか。言えるわけがありません。
●しかも平成19年度案は工事期間が5年2ヶ月であり、それに対して保坂案は7年6ヶ月、2年4ヶ月も延びているのです。
●保坂区長は補充質疑で、「19年度案は区の案の中に入っていない」旨の答弁をされました。
●もちろん現在の段階では、すべてがアラアラの状態で、数字も確定しているわけではありません。しかし、そうであっても平成19年度案は、誰が見ても検討に値するのではないでしょうか。少なくとも保坂案と対比することで、区長の考えが明確になったと思います。
●元々は平成19年度案が世田谷区の改築案の骨格だったのです。それを今回、無視して、保坂案で進め、既成事実を積み重ねて行くとは、傲慢・強引そのものではないでしょうか。
●そもそも、昨年度、出された「世田谷区 本庁舎 等 整備基本構想」中間まとめの10パターンは何だったのでしょうか。単なる時間の浪費としか思えません。税金の浪費でもあります。
●要は保坂区長には、このことに限らず、議論の積み上げというものがありません。或いは議論を積み上げ、絞り込んでいくという姿勢が見られません。と言うより、一貫性が欠如しているとも受け取れます。
●昨年度の10パターンについても、そのうち4パターンは仮説庁舎を中庭に建設する案となっております。仮設庁舎を立てれば当然経費は増大し、平均で17億円も事業費が高くなっております。
●かつて小学校改築において、仮設校舎を作らないことで事業費を低く抑えることを、ご自分の発明だと言わんばかりに述べていたのは誰でしょうか。
●この10パターンは、そのほとんどが実現性のない、ハッキリ言って何の目的で作らせたのか不明であります。無駄な予算、無駄な時間の浪費、そして職員への無駄な徒労と、独善的な権力者がやりがちな典型であります。
●このことを持ってしても、保坂区長が強くこだわる26年度予算の執行内容に計画性のないことが明らかであります。10パターンがダメなら、新年度になって3パターンが、有識者の話を聞いたとかで、ポッと出てくる。どういう繋がり、プロセスでそうなるのか明らかになっていない。
●しかも決算委員会の場で、保坂区長は事業費の数字を出すのは担当所管が言ったから、のような発言をしています。
●決算にしても、予算にしても、数字すなわち金額をアタマに入れて審議する所ではないのでしょうか。もう、その辺りから保坂区長の考え方には、ついて行くことは難しくなります。
●さらには第三庁舎はまだ使えるのに、壊すのかということに関して、保坂区長は、庁舎分散には反対だったのでは、という趣旨の発言をされておりますが、見当違いも甚だしい。
●保坂区長は世田谷総合支所は三軒茶屋に移転させると言っていますが、移転先の見込みは、ついているのでしょうか。
●今週、所管に伺ったところ、例のNTTとの交渉は始まったばかりで、借りられる見通しも、借りられない見通しも定かではないとのことです。
●今、現在で、世田谷総合支所の移転先も見通しがつかないままで、第三庁舎を解体することを前提とする、保坂案でよいのか、ということを申し上げたのです。
●庁舎整備の具体化が示されて1年半でこの進捗具合では、一体いつになったら基本構想ができるのでしょうか。
●首都直下は必ず来るといわれる中、一刻も早く災害対策の中枢機能を担う体制を整えなくてはならない世田谷区のトップとして、先ほども述べましたが、判断力の杭が、現実という固い地盤に届いていないのではないでしょうか。これでは新庁舎構想も傾斜してしまうのは必定です。
●今回の決算を通じて、多くの会派から、保坂案に対して認められない旨の発言がありました。それらの会派に属する議員の数は、私の印象では少なくとも7割を超えているように感じました。
●保坂区長は民意を正確に把握しているのでしょうか。
●民意の把握については、今回、世田谷ナンバーの事例を引き合いにして、区民アンケートの不備を改めて指摘し、また区側も重ねて二度とないよう、チェック体制を改善した旨の答弁を得ました。
●これまでの経緯をご存知ない方には、唐突だったかも知れませんが、要は、区民意識調査レベルのアンケート調査をするには【2分】何百万円もの経費が掛かるので、世田谷ナンバーのアンケートでは、実際、経費ゼロの手法でアンケートをした結果、とんでもない偏りになったということであります。
●これは公平・公正を謳う公務員としては、やってはならないことであります。統計学的に合理性の伴わないアンケート調査など無駄使いであり、単なるアリバイ作りの口実でしかありません。そもそも、それぐらいの予算を掛けられない、世田谷ナンバーという事業は、区長としてやるべき仕事ではなかったのです。
●今後、庁舎問題に関して、保坂案を進めていく中で、区民の皆さんに意見を伺う際、保坂案だけの賛否を問うことだけは、やめて戴きたい。
●そもそも、中庭を囲む景観とかフォルムとか世田谷区民の多くが最優先課題だと考えているとは到底思えないからです。
●しかし、アンケート調査では問題設定そのものが一定の方向に誘導する仕掛けとして機能することがあり、そのことを指摘しているのであります。
●まさに、世田谷ナンバーのアンケート調査が、結果として「誘導する仕掛け」が機能してしまった最たるものだったということも指摘しておきます。
●区民の皆さんの意見聴取は非常に重要なファクターとなりえるだけに要注意であります。庁舎問題に関しては、世田谷ナンバーのアンケートのように、保坂案に誘導するような情報しか出さないようなアンケートを行うことは絶対にやめていただきたい。
●さて、最後に決算認定に反対の主たる根拠について、述べます。細かい要望、指摘についてはここでは繰り返しません。オランダ隠密視察、私的取材旅行という問題もありましたが、それについては時間の関係で省きます。
●ここに至って、一般会計決算認定に反対する最大の根拠は、保坂区長が庁舎整備について、議会の7割、これは私の印象ですが、7割が保坂案を否定しているにもかかわらず、保坂区長は委員会発言で、この3パターンに絞られたわけではない旨の答弁で、議会側との意見の相違はないような態度を示している点です。
●しかし、実際には世田谷区始まって以来の最大の投資となる本庁舎整備について、300億から380億までの開きがある案件、また工事期間7年半と5年2か月の開きが、現時点で予測されることについて、いかにも議会の意見も取り入れるような保坂区長の姿勢は、まやかしであり、その裏で既成事実を積み重ねて、最後は押し切ろうという意図さえ感じます。
●決算認定にあたり、冒頭述べたように、なぜ監査委員が「区民要望を的確に捉えた上で区民の信託に応えるべく、最小の経費で最大の効果を挙げるように計画的、効率的かつ効果的な行財政運営に努められたい」と意見として結論づけたのか、私達の会派は深い共感とともに、その通り!、と表明して、反対意見と致します。
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