「世田谷区立池之上小学校改築に伴うスクールバス運行を求める陳情」
昨日(11月12日)の委員会報告です。(長文です)
↓ ↓ ↓
「文教常任委員会」に付託された「世田谷区立池之上小学校
改築に伴うスクールバス運行を求める陳情」の審査は、
陳情者(当該学校に児童を通わせる保護者の方々)の気持ち
がわかるだけに、正直きつかったです。
突然「耐震基準を満たしていない」と宣告され、隣の小学校
(跡地)を仮校舎として、そこに4〜5年、通わなければなら
なくなり、学区域で一番遠くなる児童は2.1キロもあります。
実際、暑い夏の日に、小学校一年生のつもりになって、その
通学路を歩いてみましたが、40分近くかかりました。
汗だくにはなるし、雨の日や荷物の多い日を考えたら子ども
が不憫になる保護者の方々のお気持ちはよくわかります。
またこのエリアで過去に交通事故で児童が亡くなった事故が
あり、通学路が遠くなることへの不安なお気持ちもよくわか
ります。
しかし、区内には、同じくらいの距離(少し短いけれど “心臓
破りの坂” があって、かかる時間は同じ!←この通学路も実際
歩いてみました)を毎日歩いて通っている児童がいます。
その学校の保護者や、ほかに遠い距離を歩いている児童の保護
者から話を聞いたら、自然と健脚になり体力もついている、と
のこと。
世田谷区は “徒歩通学” を基本としていますし、安全対策として
は、予算をうけて人を配置し、しっかりやる、と区教委が表明
しています。
それから、池之上小学校の通学路は道が狭く、マイクロバスを
何台も走らせるのは困難だと思われるという要素もあります。
もう一つ、池之上小の保護者の中にも「スクールバスは反対」
という方がいます。
そういう方々からの声も届いていますが、スクールバスを要望
する運動がたかまっているため、声をあげられない…、という
雰囲気になっている、とのこと。
児童全員が2キロあるわけではないし、どうしても何らかの事情
で通学が困難な児童(通学弱者)に関しては個別の対応をする
よう教育委員会に求め(←対応します、という言質をとったの
で)、スクールバスの陳情は「不採択」と判断しました。
自民、公明、F行革(私の会派)=不採択
立憲社民=継続
生活者ネット、減税=主旨採択
と意見が分かれ、最終的には「継続審査」となりました。
今回、私は、「自分の子どもだったらどうする?」
「自分がこの学校の保護者だったらどうする?」と、考えに
考えました。
その結果、歩いて通わせようと思うな、という結論に達した、
ということもあります。
特別な事情がなければ、子どもの頃に歩いて脚力・体力をつ
けるのは素晴らしいことだと思います。
それは、一生の宝物になるでしょう。
「スクールバスを走らせて欲しい」と陳情して来た方々には、
私のこの意見は通じないかもしれませんが…。
区民の方々からの請願・陳情は、背景を調べ、会派メンバー
で何度も議論して結論を導きだしますが、いつも悩みます。
これをフェイスブックに投稿したら、以下のコメントがあり
ました。
↓ ↓ ↓
●山間部の住民が聞いたら笑われると思うよ。
ここはしっかり判断して欲しいよね。
●私も歩くのに大賛成!
このような「体力作りの環境」はお金で買えるものでは
ないので、逆に喜ぶべきだと思います。
それにメンタルが強くなりますよ。
(但し、酷暑の時季は水分補給の配慮が必要ですね)
●私も歩く方がいいと思います!
歩いて通学途中に学ぶことも沢山あります。
足腰も鍛えられます!集団下校で他学年とつながりもでき
るし^_^
(コメントの引用、ここまで)
皆さまはどのうように思われますか?
【追記】
そういえば、ずいぶん前になりますが、会派で東広島市立
豊栄中学校を視察に訪れたことがあります。
豊栄中学校は、当時、2年連続で「体力づくり日本一!」
に輝いている学校でした。
なぜ、体力づくりに力を入れるようになったのか?と聞い
たら「市内には中学校が一つしかなく、通うのが遠いため、
スクールバスを出している。そうしたら、生徒たちの体力
がみるみる落ちて、全国平均を大幅に下回り、このままで
はまずい!!と思い、体育朝会を始めた。」ということで
した。
その体育朝会のおかげで、今度は「体力づくり日本一!」
となったわけですが、毎日の登校がスクールバスになった
ら、子どもたちの体力がどんどん衰える…、という事実が
そこにあったのです。
バス通学は、子どもの体力を奪うことにつながるのではな
いか…。それは恐ろしいことだと思います。
そう考えると、ますますスクールバスはよくない!と思う
にいたりました。
保護者や児童の不安を取り除けるように最大限の努力をす
る、ということを忘れず、やはり、大変だけど歩いた方が
いいと思います。
政治家(市区町村)ランキング、全国 第4位 です。