昨日(3月27日)は、区議会第一回定例会最終日でした。
「予算特別委員会」の委員長より、7日間にわたる予算委員会の報告が
あり、その後、各会派から、意見開陳(討論)が行なわれました。
うちの会派は「平成26年度一般会計予算」には反対、ほか(特別会計、
補正予算)は賛成の立場から、私が壇上にて意見を述べました。
9分間の演説内容、少し長い(原稿用紙8枚分)ですが、参考まで、
以下に貼り付けます。
興味とお時間のある方は、ぜひお目通しください。
↓ ↓ ↓ ↓
平成26年度世田谷区一般会計予算には反対、その他については賛成の立場から「無所属・世田谷行革110番」の意見を申し上げます。
まず最初に、世田谷区が積極的に取り組むべき事業とは何でしょうか。実は、世田谷区が行なっている区民意識調査で、同じ質問がなされています。区民の答えは、
第1位が「災害に強いまちづくり」です。第2位は「防犯・地域安全の対策」、そして第3位が「高齢者福祉」となっており、このベストスリーの順位は、3.11以降、不動で、変わっていません。
それでは、保坂区長は世田谷区のトップとして、これらの区民の考えに向き合い、政策実現の陣頭に立っていらっしゃるでしょうか。今回の予算委員会の質疑を通じても、到底そのようには感じられませんでした。
その一方で、「生きづらさを抱えた若者支援」には、大変熱心でいらっしゃいます。
しかし、今、「真に生きづらさを抱えている」のは、私達の見るところでは、むしろ区役所の皆さん、ではないでしょうか。
「生きづらさを抱えた若者」という言葉から連想するのは、石川啄木です。あの、「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」で始まる詩集「一握の砂」には、絶えず夢を持ち続けながらも、現実に裏切られ続ける。そして、借金に借金を重ねる、という、どちらかと言えば、社会性に乏しい面を持った啄木の、まさに「生きづらさを抱えて26歳で生涯を終えた若者」の心情が吐露されています。
「一握の砂」には、教科書に載るなど、有名な句が多いのですが、中には隠れた名句というものがあります。 それは、
「気の変わる人に仕へて つくづくと わが世がいやになりにけるかな」
これはサラリーマン川柳ではありません。今から百年以上も前に、「一握の砂」で、石川啄木が「生きづらさの原因」を歌ったものです。……
さて、今回の予算質疑では、私達の会派では、区民が望む「世田谷区が積極的に取り組むべき事業」のトップである「災害に強いまちづくり」を中心に伺って参りました。
言うまでもなく、最大の災害は首都直下地震であり、火災であり、延焼の恐怖、であります。3.11以後、これらがクローズアップされ、様々な被害想定が出されています。このままでは危ない地域が、この世田谷には多くあることもわかってきました。
にも関わらず、保坂区長は「庁舎計画担当部」を2年前に廃止しました。これは明らかに失策であったと思います。なぜなら、昨年9月に、再び「庁舎計画担当課」を復活させているからです。少なくとも、このことで世田谷区の防災・減災対策は、2年遅れてしまいました。
「気の変はる人」の区政運営に、区職員のみならず88万区民の命運が、次々に出される被害想定に、無策という形で、2年間放置されてしまったのです。
それは、今回の学校給食における「放射能検査」についての、保坂区長の対応においても、根っこは全く同じ、です。最初に「減らす」と言って、あとからまずいと気づいて「復活させるような発言」に変わる、ここでも「気が変わった」のです。改めて、保坂区長の定見のなさを露呈したものと感じました。
さらに「世田谷ナンバー」も同じです。保坂区長にとって、昨年の今頃の予想では、
1年後、つまり今ですが、「世田谷ナンバー」の導入を間近にして、世田谷区民が活気づき、「世田谷ナンバー、バンザイ」、「世田谷区民バンザイ」ということでは、なかったのでしょうか。
それが、どうしたことでしょう?そんな機運はどこにあるのでしょうか。
品川ナンバーを変える必然性も、世田谷ナンバーの区民要望も、全くの架空のものであり、「余計なことをしてくれた」というのが、区民だけでなく、車の販売現場の偽らざるホンネです。「ビジネスに悪影響が出るようなことをよくもしてくれた」と、怒っています。何も考えずに、世田谷区にとってではなく、自分にとっておいしい話に乗ったつもりが、今となっては逆にご自分にとってまずい話になってきているのです。
さて、本庁舎問題について、私達は、予算委員会で、かなりの時間を費やして保坂区長に質問して参りました。保坂区長は招集挨拶、そして3月5日の記者会見で、本庁舎改築を宣言されました。
しかしながら予算委員会で、建設費245億円という、世田谷区史上、最大の投資となることに触れますと、さらに区長選の最大の争点になるのではないか、との見通しを話した途端に、保坂区長の答弁が曖昧になりました。
私達は、この予算委員会も含めて、一貫して、区民の生命財産を守るための「災害に強いまちづくり」の整備を求めて参りました。単なる「区の職員の快適さを追求しての新庁舎建設」だったら、大反対です。
そうではなく、必ず来る「首都直下地震」に備えて、世田谷区民88万人の生命と財産を守る目的で、新庁舎は建設されなければなりません。
そのためには大きな決断がなければ、到底なし得ることではありません。
記者会見をして、基本構想を作れば、自動的に10年後に新庁舎ができるとでも、お考えでしょうか。
新庁舎建設に関しては、「何のための新庁舎なのか」、保坂区長ご自身の発言が全くありませんでした。補充質疑で確かめれば、いまもって、前川建築をどうするかさえ迷っているような答弁でした。
保坂区長は3つのことを明言しているのです。新庁舎建設は現在地で行う、最低でも4万5千?以上、10年後の竣工。これらを現実に当てはめれば、前川建築の、そのほとんどが、なくなります。少なくとも区民会館は解体しなければ、何も始まらないことは、誰の目にも明らかなことです。私達は、保坂区長のグラグラと揺れ動く姿に、申し訳ありませんが、呆れ返っております。
「気の変はる人」の特徴は、何も考えずにコトを起こすことから始まります。何も考えないから、後から指摘されて気づく。気づいた頃には、コトが進んでしまっている。これが、保坂区長のパターンではないでしょうか。
区長の職責は、重要案件になればなるほど、それは当然のことですが、苦渋の決断ということになるでしょう。これだけの人口の自治体ですから様々な考え方があるわけです。全部が賛成というわけには参りません。それだけに区民の皆さんへの説明責任を尽くさなくてはなりません。それこそ、説明を省いて庁舎問題を決定すれば、議会の賛成は得られても、区民の審判は得られないでしょう。
もちろん前川建築については、残せるものなら残したいと、私達も考えます。しかしながら、必ず来る首都直下地震の、余りにも大きな被害想定を知れば、そして、時間が限られていることを考えれば、残念ながら88万区民の生命財産と、前川建築の価値を同じ天秤にかけることはできません。
また、前川國男氏が仮に生きていらっしゃて、この被害想定を知れば、「それでも残せ」と言われるでしょうか。前川氏は公共建築を作ったのであって、芸術品を作ったという意識はなかったはずです。多くの区民のために喜ばれる施設を建築したのであって、決して、悩ませることを望んだわけではないだろう、と思います。
私達はすでに前川建築事務所と連絡をとり、前川建築の思想さえ受け継がれればいいのではないか、という思いを確認しております。
今回の保坂区長の新庁舎建設宣言は、代表質問から疑問を投げかけて来ましたが、やはり、何も考えずに、何の決断もせずに、まるで人ごとのように発表された、ということがよくわかりました。
トップがこんな無責任でよいのでしょうか。
言うことが変わったり、政策がその都度、ブレたりする、保坂区長の区政運営を非常に危惧しております。
保坂区長、しっかりして下さい。
もっと、信念を持って、区長としての職責を全うしていただきたいです。
以上、「無所属・世田谷行革110番」の 一般会計への反対意見と致します。
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