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Channel: 世田谷区議会議員・田中優子の活動日誌
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世田谷区の貧困問題について(会派代表質問より)

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世田谷区議会、本会議2日目(11/25)も、民主・社民の代表質問と、

共産、自民の一般質問で「庁舎問題」が取り上げられていました。

ここまで超党派で「問題だ!」とされるということは、どう考えても

保坂区長の「やり方、考え方」が、間違っている、ということにほか

なりません。 


まさに、異常事態です。


さて、11月24日に行なった会派代表質問の二つ目の項目、

「世田谷区の貧困問題について」の報告です。

 

  


 

世田谷区というと「いいところ」というイメージがかなり広がって

 

いるようで、「世田谷区に貧困なんてあるの?」と思う方もいらっ

しゃるかもしれません。

 

でも、やはり、どこにでも「貧困問題」はあるんですよね。

特に、ひとり親家庭(その中でも圧倒的にシングルマザーの家庭)

が厳しいということがわかっています。

では、どうしたらいいのか?具体的に何に取り組めばいいのか?

代表質問で取り上げました。


 

こちらに議会中継速報版がアップされています。

 私の代表質問は、最初から1時間32分のところから始まります。 

     ↓         ↓         ↓

 http://www.setagaya-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2272

 

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以下に参考まで、質問原稿を貼り付けます。

長文ですので、興味とお時間のある方に読んでいただけたらと思います。

 

 

世田谷区における貧困問題について、伺います。

 

現在取り沙汰されている貧困問題とは、突き詰めれば、その大半は

シングルマザーの問題であると、前回の代表質問で述べました。

 

女性が子どもを産み、そのうえ結婚からはみ出せば、あっという間に

貧困に転落するのが今の日本の社会です。

 

では、女性が「わがまま」で離婚するかといえば、貧乏覚悟で別れる

多くの離婚理由は、夫のDVや借金から子どもを守る「子どものため」

というギリギリでの選択である、ということが大半なのです。

 

また、婚姻歴のないシングルマザーも相当数、存在しています。

かなりの割合で、望まない、あるいは、望まれなかった妊娠・出産の

ケースも含まれていると考えられますが、とにかく一人で育てて行こう

という覚悟でのシングルマザーたちです。

 

だからこそ、日本のシングルマザーたちは就労意欲が高く、生活保護に

依存する割合が少なく、多くの女性が働いているという特徴があります。

そのため、むしろ生活保護世帯よりも実質的に貧しくて大変である、

という世帯があることも問題点として挙げられます。

 

日本社会は、まだまだ女性の平均賃金は男性より低いため、ダブルジョブ、

トリプルジョブとかけ持ちせざるを得ない母子家庭の女性も多く、子ども

と一緒にいられない「時間不足」に陥っている、ということも厳しい現状

となっています。

 

その結果、子どもと接する時間が減り、例えば子どもの深夜徘徊が都市部

で増大しているということも言われています。つまり、子どもに目が行き

届かなくなる、という問題も抱えてしまうわけです。

 

11月15日の朝日新聞の特集記事、「子どもの貧困」の中で「子ども医療費

の自己負担がないにもかかわらず、1年以上子どもの虫歯を放置する家庭

がある」という話が載っていました。

 

ダブルジョブ、トリプルジョブとかけ持ちし、親子の時間が奪われ、スマホ

やメールで「今どこにいるの?」「宿題はしたの?」「パンは食べた?」と

いうやりとりだけで、日常が経過していく。そんな家庭環境では、子どもを

見守っているような錯覚に陥っていて、実際には、虫歯や栄養不足、或いは

身体の異常も見逃してしまう可能性が大きいわけです。

これはともすれば、ネグレクト、虐待、さらにはイジメの見逃しにもつながる

問題です。


貧困問題を考えるには、まず、世田谷区のシングルマザーを取り巻く環境の

情報を集める必要があるのではないでしょうか。


もちろん、シングルマザーがすべて貧困だということではありません。

しかし、以前「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」代表の方からの陳情もあった

ように、苦しい状況におかれているシングルマザーが多いことは事実でしょう。

区の状況をお答えください。

 

さて、今年の8月に出された社会保障審議会児童部会の報告書の中に、

「望まない妊娠を減らし、望まれる妊娠へと転換していくためには、思春期

の子どもたちに対し、命の尊さや妊娠・出産や避妊に関する 内容に加え、

妊娠した場合の対応や相談機関に関する情報等についても啓発することが大切。

併せて、生と性に関する啓発について研究することも必要」とあります。

 

また、日本社会事業大学専門職大学院の宮島清准教授は、「多くの児童虐待

には、貧困や障がい、DVなどの複雑な事情が潜んでいる」と述べています。

 

つまり、児童虐待の対策を考えるには、貧困家庭を増やさないことが必要な

手立てであるということが言えるのではないでしょうか。

そして、それを防ぐ重要な手がかりは、冒頭でも少し述べましたが、

「望まない妊娠を減らすこと」であると考えます。

 

今年の11月19日、先週のことですが、「全国妊娠SOSネットワーク連絡会議」

というものが発足しました。そこでも、10代〜20代のSOSが多いということ

が報告されています。

 

その意味からは、厚労省の社会保障審議会の報告書にもあるように、もっと

積極的に、いわゆるリプロダクティブ・ヘルス&ライツ、これは、性と生殖

に関する健康と権利、と訳されますが、その視点に立った性教育を、とりわけ

避妊教育もしっかりと義務教育の中で教える必要があると考えます。

そこで、現在の世田谷区の小中学校における性教育はどのようになっているか

お答えください。

 

貧困の問題は、子どもの虐待と結びつく可能性が高いことだけでなく、子ども

の「学力」や「自己肯定感」にも影響を及ぼすことが、首都大学東京の阿部彩

教授に指摘されています。著書「子どもの貧困2」に書かれていることですが、

引用しますと、

「少なくとも一部の、もしかしたら大部分の貧困層の子どもは大学受験を考え

られるだけの学力がないことも事実である。元高校教師の話では、ある底辺の

高校において教師が生徒に1から100までの数字を数えさせるといった補習を

しなければならないという。

この子どもたちは、高校生になるまで小学校低学年レベルの学力で放置されて

きたのである。彼、彼女らにとって必要なのは、小中学校における“落ちこぼれ

をゼロとする義務教育改革や学習支援”である」ということです。

 

もう少し著書からの引用を続けます。

「人にどう見られるか、どう評価されるか、ということは、その人の精神状態

はもちろんのこと、身体的な健康状態にも大きな影響をもたらす。これは、

子どもの世界とて同じである。家に勉強机もなく、不安定な生活のため、学力

が上がらない、みんなが持っているゲームも持っていない、衣服が古い、その

ようなことがいじめの原因になったり、仲間はずれにされるきっかけとなる。

そして、それらによって本人の自己肯定感が傷つけられ、自信がもてず、自分

は生きていてもしょうがないと思うようになる。」…とあります。

 

要するに、自己肯定感が持てないのは、他人の評価に敏感過ぎる子どもが、

その評価に「貧困が理由で応えられない虚しさの積み重ね」である、という

ことなのです。さらには、「小学校低学年レベルで勉強についていけずに、

教室での居場所を失ったままの喪失感を引きずること」が原因なのです。

 

つまり、保坂区長がよく使われる「自己肯定感」というものは、貧困と深く

かかわっているのです。


「自己肯定感」の弱い子どもとは、「子どもの貧困」すなわち、まず「親の

貧困」にターゲットを絞って考えるべき問題ではないでしょうか。

もちろんその他にも要因はいくつもあると思いますが、まずいちばん多そう

な所からやらなければ、ということは、先の第3回定例会の代表質問でも

述べております。

 

詰まるところ、自己肯定感を持てないことの特効薬は、子どもの貧困を解決

することに邁進することであり、また、確かな義務教育を行なうことに尽きる、

ということです。

保坂区長は、生きづらさ評論家のように自己肯定感なるものを述べている場合

ではありません。

 

このあたりの分析も含め、世田谷区における貧困問題について、ただ単に国の

法律に基づいた必須事業や任意事業だけで良いのかどうか、伺います。

 

さて、足立区ではこの春、「子どもの貧困対策担当課」が誕生し、朝日新聞の

記事では担当部長が以下のような発言をしています。

「子どもの貧困対策として、母子手帳を渡す時のアンケートで母親の就労状態

や相談相手がいるか、といった養育環境をより詳しく聞くようにしました。

子どもが生まれる前からハイリスクの親を見つけ、早めに支援するためです。」

 

確かにその通りなのでしょう。では「ハイリスクの親」とは、いったいどんな

親なのでしょうか。

 

厚労省の通知や、先にも紹介しました「社会保障審議会児童部会の報告書」

等によると、「望まない妊娠」や「養育能力の低さ」そして「育児への不安」

であることが「ハイリスク」と読み取れます。

 

子どもを取り巻く環境は、このように、貧困、イジメ、虐待を含め、問題が

増大しています。だからこそ、東京都任せではなく、「児童相談所」とその

権限・財源の移管を迫るべきだ、ということを、第3回定例会でも提案いた

しました。

 

保坂区長は「東京都との話し合いはうまくいっていない」「児童相談所以外

にも、都市計画決定権限の移譲などたくさんの課題がある」「それらに再整理

をかけて、児相に関しては特別態勢でいくよう先頭に立っていきたい」と答弁

されていました。

であれば、言葉だけでなく、児相の移管を区としての政策目標と位置づけ、

具体的に取り組んでいくという姿勢を示していただきたいと考えますが、区長

の決意をお聞かせください。

 

 

 

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