昨日(6/24)、東京シューレの奥地圭子理事長が
辞任することになった、という情報が入りました。
私が、先の議会質問で取り上げた「東京シューレ
の宿泊施設で起きた性暴力の問題について」、
第三者調査委員会が調査を進めている、というこ
とでしたが、その結論が出て、奥地氏が辞任に追
い込まれた、ということです。
以下は、東京シューレのホームページで公表され
ているものです。(一部抜粋)
【奥地圭子理事長の辞任について(ログシューレ
性暴力加害事件検証報告書を受けて)】
↓
【奥地理事長、退任の理由】
今回、奥地理事長が退任した理由は、人権委員
会報告書および第三者調査委員会回答(*下記
・抜粋参照)にあるとおり、主に以下の2点に
よります。
第一は、東京シューレが、重大な性暴力加害事件、
子どもの人権侵害事件を引き起こしてしまったこ
とです。
重大な性被害が裁判の原告のみならず特定されて
いるものだけでも複数名の被害者が発生し、かつ
加害者もAだけではなく複数いるとの情報もあり、
深刻重大な性加害事件を発生させてしまったこと
です。
第二は、その重大な人権侵害事件について、法人
として事後対応を誤ったことです。
東京シューレの子どもたちを守りたい、という主
観的な確信のもとで、その深刻な人権被害を軽視
し、原告を含む複数名の性被害者への救済対応を
十分に行わなかったことに加えて、原告が納得す
る「和解」に至らず、裁判で確定した人権侵害事
実について「口外禁止」を図り、理事会による真
の解決を妨げてきたことです。
この事実は、すでに裁判で確定したものをふくめ
て揺るがないものであり、奥地理事長の責任は重
大であり、理事会決議をもって今回の総会で役員
を退任することとなりました。
(引用ここまで)
議会質問で取り上げてから10日後に、このような
結論が出るとは、驚きましたが・・・
以下に、その議会質問の内容を掲載します。
「世田谷区議会第2回定例会」田中優子一般質問
より、ひきこもり支援を謳った「引き出し屋」の
問題について、以下、報告いたします。
ほっとスクールの運営にかかる評価・検証につい
て伺います。
2017年2月に施行された「教育機会確保法」から
4年半が経ち、学校以外での学びの場として、フリ
ースクール等が法的に位置づけられ、子どもの居
場所も多様な形で増えつつあります。
世田谷区では、現在、心理的理由などにより不登
校の状態にある児童・生徒の居場所として、
「城山」「尾山台」「希望丘」の3か所の「教育
支援センター・ほっとスクール」を展開していま
す。
そのうち、2019年2月に新設された「ほっとス
クール希望丘」は、初めて民間委託で運営されて
いますが、施設が新しいということや、フリース
クールの運営では実績があるNPO法人「東京シュ
ーレ」が、運営を担っていることもあり、大変好
評です。
ただ、この法人をめぐっては、手放しで喜べない、
極めて深刻な負の実績もあることがわかってきて
います。
傘下にある同法人系列の宿泊型施設において、
1998年度-2000年度までの長期にわたり、職員
が利用者の女子生徒に対して繰り返し性的加害を
犯していた、という事件がありました。
同法人は、2016年に裁判を提起され、2019年
7月に和解となりましたが、その事実を公表した
のは2020年2月になってからでした。
世田谷区との委託契約は、この事実が伏せられ
ている段階で行われています。
当事者同士の紛争は、裁判の和解という形で決
着していますが、「なぜ起きたのか」「組織は
性暴力にどう対応してきたのか」といった大変
重要なことが、未解明のままです。
現在、第三者検証がおこなわれているというこ
とですが、解明には時間がかかると表明されて
います。
Q4まず伺いますが、ほっとスクール希望丘の
委託先である東京シューレの問題について、
区はどう捉えているでしょうか?
過去に東京シューレが主催する宿泊型フリース
クール活動で起きた問題につきましては、当初、
訴訟が和解によって終了したとの事実を除き、
守秘義務があることから、詳細については公表
できない旨の報告がございましたが、その後の
当事者間の話し合いの中で、対外的に責任と再
発防止に向けた取り組みを示す必要があるとの
判断から、公表するに至ったと聞いております。
今回の件を受け、当該法人では再発防止に向け、
第三者を含む人権委員会の設置、相談窓口の開
設、計画的・継続的な職員研修の実施、職員の
倫理綱領と行動規範、職員採用ガイドラインの
策定などの再発防止策を講じております。
この性加害の問題が大きく報じられ、同法人が
加害事実を公表した際に、私は教育委員会にお
尋ねしましたが、「事件が起きたのは別団体で
あり、同法人はしっかりガイドラインを作成し
ているため問題ない」という回答でした。
Q5今回、あらためて、ほっとスクール希望丘の
委託業者はどのように選定したのか、選定メン
バーの構成や、区としての選定基準は策定して
いるのか、対象となる事業者はどのくらいあっ
たのか、等についてお聞きします。
事業者の選定方法につきましては、国及び区の
不登校施策を十分に理解し、社会的自立に向け
た新たな取り組みを実践することができる事業
者を選定する必要があったことから、公募型プ
ロポーザル方式とし、4社から参加表明書の提
出がございました。
選定にあたっては、区のプロポーザルのガイド
ラインに準拠し、実施要領、審査要領等を定め、
実施体制や提案内容等の評価項目に基づき、
教育政策部長を委員長に、当時の教育相談・特
別支援教育課長、教育政策部副参事、指導主事、
教育相談専門指導員の5名からなる選定委員会
による審査により、委託事業者を決定したとこ
ろでございます。
Q6 ほっとスクールは、子どもたちにとって安全
で安心な場所でなければなりません。そのために
は、常日頃から、スタッフの研修が必要であると
考えますが、質の確保のための評価・検証はどの
ように行われているでしょうか。お答えください。
ほっとスクールにおける運営の質の確保にあたっ
ては、職員個々の専門性の向上に向けた研修の
実施が重要と認識しております。
各ほっとスクールでは、不登校施策に関する研
修や事例検討等を定期的に開催し、良好な事業
運営に必要な知識や技能の取得に努めていると
ころでございます。
また、3か所のほっとスクールによる合同での
会議や行事を通じて、お互いの学習環境やプロ
グラムの情報交換を行い、それぞれの施設を利
用する子どもたちにとって魅力的な事業運営に
つなげるための取り組みも進めております。
教育委員会では、今年度、「ほっとスクール希
望丘」を含めた3か所のほっとスクールを対象
に利用者アンケートや訪問調査を行い、この間
の運営等について評価、検証を行う予定でござ
います。
評価、検証の結果を踏まえ、研 修の内容やあり
方についても必要な見直しや改善を行うなど、
ほっとスクールにおける運営の質の向上に向け
た取り組みを進めてまいります。
(議会質問&答弁、ここまで)
今後、世田谷区教育委員会としては、(希望丘
ほっとスクールの運営委託をしている事業者な
ので)、こうした結果をうけて、シューレとし
てはどうするのか、聞き取りをするということ
です。
政治家(市区町村)ランキング、全国 第3位 です。
田中優子Twitter → https://twitter.com/setagaya_tanaka