昨日行なわれた、会派代表質問(大庭正明議員が担当)の
「庁舎建て替え問題」の部分の原稿を以下に貼り付けます。
興味のある方は、お読みください。
前川國男建築について、詳細に調べあげたうえで、現在の
ニーズをしっかり踏まえての質問です。
●さて、先日、改めて前川國男の本を読んでみますと、「世田谷区民会館」には当初、公会堂はもとより、展示場、集会室、図書館、結婚式場、食堂を併せ持つコニュニティの場だったことがわかりました。念のために総務課に調べてもらったらその通りでした。
●おわかりになるでしょうか、人が集まる施設は公会堂だけではなかったのです。結婚式が行われ、また日曜でも図書館に通う人がいる、まさに区民が集い、行き交う場所として中庭があったわけです。因みに図書館とは世田谷図書館のことであり、現在のレストラン「けやき」の場所にありました。
●また公会堂も1300席、現在では1200席となっておりますが、当時は1000席を超える公会堂は日比谷公会堂、杉並公会堂、そしてこの世田谷区民会館だけだったと言われております。
●結婚式場も当時の記録を見てみますと、午前の部、午後の部、そして夜間の部とあり、なかなかの活況のようでした。
●昨年来、私は、前川國男の「中庭を囲む景観」とは何か?ということを考えてきました。
●最初に設計されたのは世田谷区民会館です。第1庁舎はあとから作られた複合庁舎です。
●当然、前川國男の構想は区民会館が先ですから、如何にして人が集うのか、であったはずです。公会堂にしても、図書館にしても、結婚式場にしても、食堂にしても、利用したくなる、来たくなるという設計思想が第一義となります。それに対して区役所は事務的な手続きや相談事とといった、必要だから来なくてはならない、そういう場所です。いわば利用目的が全く異なる施設が一緒になるのです。
●今では区役所といえば接遇のレベルも上がり親しみやすさもありますが、昭和30年代の昔は違って、例えば黒澤明の映画「生きる」で描かれている市役所のような堅苦しい雰囲気だったのでしょう。
●とにかく現在の「中庭の景観」と前川國男が当初考えた「中庭の景観」は全く異なるものとなりました。
●竣工から56年、区民が集う結婚式場はなくなり、図書館は追い出され、食堂もその後のファミレスの出現で珍しいものではなくなりました。もはや区民会館は大きな区役所の付属施設のようになっています。
●かつて前川國男が考えた、コミュニティーの場としての、そして矜持の象徴とでも言うべき「中庭を囲む景観」はもはやここには、存在しません。
●そして現在、この場所に、前川國男の想定外とも言える形で人々が集う、空間が求められております。
●それは災害時の避難場所であり、災害対策の中枢機能でありま
●このことについては、これまで可能な限りのエネルギーを費やし、保坂区長には、申し上げて来ました。
●今回示されました、「本庁舎等整備基本構想(素案)の検討状況について」を見ました。もちろん、担当所管の本意でないことは明らかです。
●これまで本庁舎建て替えの大きな理由として、老朽化とともに分散している庁舎の統合は一貫して言われてきた所であり、改築・修繕の議論はあったとしても、分散化をヨシとする議論はこの世田谷区議会で一度たりとも聞いたことがありません。
●そこでお聞きしたいのですが、先週も世田谷区を含む関東一帯で大雨警報が出され、第三庁舎で災害対策の会議が行われたと聞きます。当然、副区長も出席されたと思いますが、第1庁舎に戻られる時、大雨と大風に打たれてビショビショになりませんでしたか?それだけでも大変なロスです。また、災害時、多くの職員や避難区民がバタバタしている時に、緊急物資の集積場にもなるこの場所が、出たり入ったりする構造では、どこに合理性があるのでしょうか。
●副区長の苦しいお立場は察するに余りあるところですが、当初の意味を失っている「中庭を囲む景観」の方が世田谷区の今後100年の大計として、優先するとお考えでしょうか。副区長にお尋ねいたします。
●もちろん優先しないとなれば、こちらも、副区長のお立場を考えて形式的な答弁で結構です。それが副区長の苦しい胸の内を明かすSOSだと了解いたすところです。
●加えて、先週の大雨災害で、我が国インフラの劣化や老朽化が明らかになりました。建設費の見込みは大丈夫なのでしょうか、伺います。
(代表質問の原稿、ここまで)
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